2010年9月14日火曜日

何故、刑事コロンボか?

刑事コロンボはアメリカ映画には珍しく、初めから犯人がわかっていることが特徴だといえる。
だから誰しも安心して見ることが出来る。
だから刑事コロンボは、最初から見ないと意味がない。最初に必ず犯人が登場するからだ。


この映画は、ビジネスマンにとって吸収できるところがとても多い。
特に訪問営業マンにとって刑事コロンボほど教訓をもらえる映画はない。

ターゲットを決め、一つ一つ問題点を解決していくからだ。
コロンボ自身が苛立つ場面は絶対にない。

犯人は中盤ほどから苛立ちを見せ始める。それでも淡々と問題点を解決していく。
さて、コロンボの訪問回数は何回ぐらいだろう。

最後には、犯人は諦める。しかもコロンボを尊敬し、エンディングを迎える。
さて、ここまでできる営業マンがいるだろうか?

2010年9月13日月曜日

刑事コロンボ

刑事コロンボ



作品の特徴

テレビミステリーには珍しく最初に完全犯罪を企む犯人の周到な犯行を視聴者に見せた後、コロンボが犯人の見落とした僅かな手がかりを元に犯行を突き止める構成となっている「倒叙物」と呼ばれる形式です。

倒叙(とうじょ)とは・・・

通常の推理小説では、まず犯行の結果のみが描かれ、探偵役の捜査によって犯人と犯行(トリック)を明らかにしていきます。倒叙形式では、初めに犯人を主軸に描写がなされ、読者は犯人と犯行過程がわかった上で物語が展開される。その上で、探偵役がどのようにして犯行を見抜くのかどのようにして犯人を追い詰めるのかが物語の主旨となります。また、先に犯人にスポットが当たることにより、動機の描写において、何故、犯行に至ったのかという点を強く描写することが可能です。

視聴者はあらかじめ真犯人を知っているので、視聴者の興味は「犯人と視聴者は一体何を見落としていたのか」や「コロンボがどうやって尻尾をつかんで犯人を追い詰めるか」「犯人側の心理に重ねる緊張や焦り」などの心理に向けられます。

コロンボには暴力や性的描写が一切無く、ドラマは犯人とコロンボの間の心理的な駆け引きを中心に進められます。また犯人は医者や弁護士、会社重役など地位や名声のある社会的成功者で知的な人物であることが多い。これら特権階級の世界をうかがわせること、そしてそれらの人々が作り上げた完全犯罪を覆していくことにこの作品の良さがあるといえると思います。原案者のリンクとレビンソンは、コロンボとのキャラクターの対比を鮮明にするため犯人を特権階級に設定したと語っています

コロンボについて

コロンボは、アメリカ合衆国カリフォルニア州のロサンゼルス市警察殺人課に所属する警察官で肩書は、警部補です。

日本語版放送では「コロンボ警部」と訳されていますがコロンボは直截的には「コロンボ警部補」になります。

コロンボのキャラクター

射撃は不得手で、拳銃は持ち歩かない。

幼い頃からワンパクな育ち

怖がり、運動は苦手で、泳げない。飛行機に非常に弱いらしい。

いつもよれよれの背広とレインコートを着ているため、慈善団体の関係者からホームレスと間違われたことがある。

火のついていない安葉巻を持ち歩いているが、ライターやマッチはいつも誰かに借りている。

メモ魔で何でもメモしておくが、ボールペンや鉛筆は常にどこかに置き忘れている。

好物はチリコンカン(チリ)とコーヒー。

ファミリーを大切にする。

コロンボはよれよれのレインコートと安葉巻、櫛の通っていないボサボサの髪の毛と斜視が特徴で、一見すると冴えない風貌で庶民臭い凡庸な人物となっています。事件が起こっても急いで駆けつける事は無く、警察による実況見分が粗方終わってから顔を出し、自身が注目する以外のものには大して興味も見せません。無作法で状況も弁えず相手に近づき門質し一応納得はしてみても整合性が崩れると、また順を追って捜査をし何度も同じ言質を取ろうとする捜査は相手を困らせたり苛立たせたりする事が多い。状況証拠と証言だけでの解明に固執せず守秘義務に関係無く捜査状況を逐一相手に報告し、感情の機微や証言の小さな差異を手がかりに矛盾点を突きつけ容疑者を焦らせて誤誘導させるなどの能動的な捜査も行い最終的には容疑者を理詰めで追い込んで犯行を認めさせるという捜査方法です。

「あっ、もう一つだけ・・・」

 よれよれのレインコートを着た刑事が急にふりかえり、するどい質問をなげかけてくる。これがコロンボの口癖であり、犯人の最もいやな言葉であるといえます。


『刑事コロンボ』は、実におもしろい作品です。